クリープハイプというバンドが大好きだ
クリープハイプを初めて聞いたのはアネッサのＣＭだった。
夏の日差しを浴びながら、ショートカットの蒼井優が登場するそのＣＭで、彼らの曲が流れると私はいつも画面に釘付けになってしまった。
白いノースリーブのワンピースを着た蒼井優さんが「もう後悔したくないから」というセリフと共に流れる音楽。
彼女の清涼感も去ることながら、私は完全に音楽の方に惹きつけられた。
ティン♪という効果音
蒼井優さんが男の人と手を繋いで階段を駆け下りていく。
そしてサビ。
連れて行ってあげるから
憂 憂 憂 憂 憂、燦々
離さないでいてくれるなら
何でも叶えてあげるから～♪
長男を出産して間もないときだったので、２０１３年のＣＭなのか。
あれから７年も経っているということに驚き！！
このＣＭで使われていた曲がクリープハイプの「憂、燦々」だと知るのは、実はだいぶ後。
生まれたての長男を抱っこしながら、この曲すごく好きだ！すごく気になる！と思い、画面の右下に書かれたクリープハイプという名前をメモをしたことを覚えている。
育児が少し落ち着いたら彼らの曲を聴きたいと思っていたのに、落ち着くことがないまま数年が過ぎていた。彼らの名前を書いたメモもどこかに埋もれてしまった。その２年後に娘も生まれ、次第に彼らの存在をすっかり忘れていたのだ。
そんな私がクリープハイプの曲に再び出会う。２０１８年2月。
再会の場はＮＨＫのみんなのうただった。
子供とぼんやりとTVを見ていたら、可愛らしいハムスターの子供がどどどーと走ってくるアニメーションの映像が始まった。そのハムスターがお母さんと迷子になってしまうストーリーのアニメーションと共に流れる音楽。
ん？なんかいいな。この曲。
このときはすっかりクリープハイプのことは忘れていたのだけど、やっぱり自分の琴線に触れる何かがクリープハイプにはあるようで。
私はまたしても画面に釘付けになっていた。
曲のタイトルは、
「おばけでいいからはやくきて」
懐かしい感じのするギターのメロディと甲高く繊細で切ないボーカルの声。
ハムスターのアニメーションと相反しながらも引き立てあっているような…
アニメーションは、ハムスターの子供が楽しそうなおもちゃ売り場につられて、お母さんと迷子になる話だ。でも、それだけではない別の意味が含まれているように思えてならなかった。
ちょっと引用させてもらいますと、
迷子になってわかりました
あなたのその偉大さを
当たり前につないでいたての温もりを
いい子になんてなれなかった
そんな自分の愚かさに
いまになって気づいた馬鹿です
オモチャ売り場になんか行かなければよかったんだ
こんなことにならなかったのに
もしもこの声が聞こえたらここまでいますぐに
僕を迎えに来てください
迷子を題材にしながらも、大人の世界にも十分当てはめることのできる歌詞という気がしませんか？
当たり前にいてくれる大事な人をおろそかにして、新鮮で魅力的な誘惑に負けて浮気して、全部なくした後に本当に大事なものに気が付いた。
という世界が想像できた私は擦れているんでしょうか(笑)
この時点ではクリープハイプについては何の知識もなく、どういう人たちが歌っているのかも知らなかった。すぐさまネットで調べて、曲をダウンロードしてＣＤも手に入れた。
さまざまな曲を聴いていくうちに私はどんどんクリープハイプに夢中になった。
何これ何これ何これーーーー！！！！！
めっちゃいい！！！
すごい好き！！
今っぽい高音のボーカルと懐かしいメロディ。
理由は分からないけれど、昭和ぽい雰囲気をそこはかとなく感じる。
とにかく聴いていてしっくりくる。
歌詞もいい。メンバーのビジュアルも好み。
ボーカルの尾崎世界観さんの捻くれた人物像にも心をくすぐられる。
そして、あのアネッサのＣＭ曲「憂、燦々」とも再会！！
クリープハイプの曲だったと知ったときには、大袈裟かもしれないけれど運命を感じた。
今は年甲斐もなくライブハウスにも行って（もちろんコロナ前ね）、若い子に混じって踊っている。
コロナが収まったら、また彼らのライブを見ることが今の楽しみだ。
